公認会計士・USCPA・税理士・中小企業診断士・MBAなどの資格は、専門分野における信頼と実績の証です。しかし、経営の現場ではそれだけで十分ではありません。
近年、スタートアップや成長企業では、資格保有者がCOO(Chief Operating Officer)や経営企画として活躍するケースが増えています。
共通しているのは、資格を「守りのツール」ではなく「事業を伸ばす武器」として活かしている点です。
本記事では、資格保有者が経営の中枢で力を発揮するために必要な3つの視点を解説します。
「正確さ」から「意思決定のスピード」へ
資格職出身者の多くは、正確性・再現性・監査性を重んじる文化で育っています。
一方で、COOや経営企画ではスピードと判断力が最も求められます。
80点でも早く意思決定し、走りながら修正する。
それがスタートアップや経営の現場の鉄則です。
たとえば、
- 「会計的には正しいが、事業的に機を逃す判断」
- 「リスクを恐れて意思決定が遅れる」
このような“守りの姿勢”は、事業を前に進める立場では致命的です。
✅ポイント
- 「正確性」より「納期と意思決定スピード」を優先できるか?
- 完璧主義を捨て、仮説検証型の思考に切り替えられるか?
「分析」から「戦略・実行」への視点転換
資格職では、分析や報告を行う“参謀型”の業務が多い一方、経営企画・COOは“戦略を描き、現場を動かす”実行型ポジションです。
特にCOOには、次のような「事業推進の三拍子」が求められます。
| 領域 | 役割のイメージ | 活かせる資格スキル |
| 経営企画 | 事業戦略の立案、KPI設計 | 分析力・ロジカルシンキング(診断士/MBA) |
| オペレーション | 業務効率化、組織マネジメント | 会計・管理の知識(会計士/USCPA) |
| 財務戦略 | 資金調達、投資判断 | ファイナンス知識(税理士/MBA) |
経営においては、「数値をまとめる」だけでなく、その数値をもとに“どんな行動を取るか”を定義する力が評価されます。
✅ポイント
- “報告”より“提案”を意識する
- 戦略を立てて終わりではなく、実行まで落とし込む力を磨く
「自分の専門領域」から「全社最適」へ
COOや経営企画のミッションは、会社全体を最適化することです。
自分の専門領域(会計、税務、経営分析など)にとどまると、全体最適を見失う危険があります。
事業・営業・人事・マーケティング・開発——あらゆる部門の理解と連携が必要です。
たとえば、
「なぜ営業KPIが落ちているのか?」を財務データだけでなく、
採用・顧客層・プロダクト構造など多面的に分析できる人が経営企画として評価されます。
✅ポイント
- 他部署の言語を理解し、翻訳できる“橋渡し役”になる
- 専門用語ではなく、経営者・事業部長の目線で語る習慣を持つ
「資格=信頼」+「実績=説得力」でキャリアを築く
経営企画やCOOは、意思決定のスピードと質を両立させる難易度の高いポジションです。その中で、資格保有者は数字の信頼性と論理性を担保できる人材として重宝されます。
ただし、「資格があるから任せたい」ではなく、
「資格を持ちながら成果を出せるから任せられる」状態を作ることが重要です。
💡 “信頼”を得るのは資格、
“説得力”を持つのは結果。
資格でキャリアの土台を築きつつ、経営サイドの成果でキャリアの幅を広げていく。
この掛け算が、経営人材としての次のステージにつながります。
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まとめ:資格は「経営の入口」、活かすかどうかはあなた次第
資格は、経営のテーブルにつくための“パスポート”です。
しかし、その先で求められるのは、事業を動かし、人を巻き込み、意思決定をリードする力。
「数字を読む」だけでなく、「数字で経営を変える」視点を持つことが、資格保有者がCOO・経営企画として真に活躍するための鍵です。
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