「日本語の職務経歴書を英訳すればいいのでは?」
英文レジュメを初めて書く方の多くが、この発想からスタートします。しかし残念ながら、この方法で作ったレジュメはほぼ通りません。
日本の職務経歴書と英文レジュメは、翻訳の問題ではなく設計思想そのものが違う書類だからです。本記事では、両者の構造的な違いから、実際の書き方、そしてAIを使った推敲方法まで解説します。
この記事でわかること
- 職務経歴書と英文レジュメの決定的な違い
- 英文レジュメの基本構成と各セクションの書き方
- 実績を「動詞+数字」で書く技術
- やってはいけないNG例
- AIを使った推敲プロンプト
職務経歴書と英文レジュメの決定的な違い
| 日本の職務経歴書 | 英文レジュメ | |
|---|---|---|
| 目的 | 経歴を網羅的に伝える | 応募ポジションへの適性を示す |
| 分量 | 2〜3枚(詳細に書く) | 1〜2枚(絞り込む) |
| 記述 | 業務内容の説明が中心 | 成果と数字が中心 |
| 個人情報 | 年齢・性別・写真を記載 | 記載しない(差別防止の観点) |
| 応募先ごと | 同じものを使い回すことが多い | 求人ごとにカスタマイズが前提 |
最も重要なのが最後の行です。英文レジュメは応募する求人ごとに書き換えるのが常識とされています。求人票に書かれた要件に対して、自分の経験がどう合致するかを示す書類だからです。
英文レジュメの基本構成
① Contact Information(連絡先)
氏名・電話番号・メールアドレス・LinkedInのURLを記載します。年齢・生年月日・性別・顔写真は記載しません。欧米では採用差別を防ぐ観点からこれらの情報を求めないのが一般的で、日本法人の外資系企業でもこの慣行に従うケースが多くあります。
② Summary(サマリー)
3〜4行で自分を要約するセクションです。ここが実質的に最も読まれる部分なので、応募ポジションに直結する強みだけを書きます。
例:
Marketing manager with 8+ years of experience in B2B SaaS. Led demand generation programs that increased qualified leads by 140% over two years. Skilled in cross-functional collaboration with sales and product teams in bilingual environments.
③ Professional Experience(職務経験)
新しい順(逆年代順)に記載します。各ポジションについて、会社名・役職・在籍期間を書いた上で、実績を箇条書きにします。ここが英文レジュメの核心部分です。
④ Education(学歴)
大学以降のみ記載します。日本のように高校から書く必要はありません。
⑤ Skills / Certifications(スキル・資格)
語学レベル、使用可能なツール、保有資格などを簡潔に。TOEICスコアは日本国内の外資系企業では有効ですが、グローバル本社向けにはあまり通用しないため注意が必要です。
実績を「動詞+数字」で書く技術
英文レジュメで最も重要なテクニックがこれです。各実績は強い動詞で始め、必ず数字で成果を示すという形で書きます。
| NG例 | OK例 |
|---|---|
| Responsible for managing the sales team. (営業チームの管理を担当) | Led a team of 12 sales representatives, achieving 118% of annual revenue target. (12名の営業チームを統率し、年間売上目標の118%を達成) |
| Worked on improving customer satisfaction. (顧客満足度の改善に取り組んだ) | Redesigned the onboarding process, reducing customer churn from 18% to 9% within one year. (オンボーディングを再設計し、解約率を1年で18%から9%に改善) |
よく使われる強い動詞
Led / Managed / Launched / Built / Designed / Implemented / Negotiated / Reduced / Increased / Streamlined / Established / Delivered
逆に避けたいのが Responsible for や Worked on といった受動的な表現です。何をしたかではなく「担当だった」ことしか伝わりません。
やってはいけないNG
- 顔写真・年齢・性別を載せる:差別防止の観点から不適切とされます
- 日本語の職務経歴書をそのまま直訳する:業務説明中心の構成では成果が伝わりません
- すべての求人に同じレジュメを使い回す:求人ごとのカスタマイズが前提です
- 3枚以上の長文にする:読まれません。1〜2枚に収めます
- 謙遜した表現を使う:日本的な控えめさは「実績がない」と解釈されます
AIで英文レジュメを推敲する
日本語で実績を書き出し、それをAIに英文レジュメ形式へ変換してもらう方法が効率的です。
以下をコピーして、Claude(claude.ai)などのAIチャットに貼り付けてお使いください。
# あなたへの依頼 以下の日本語で書いた職務経験を、英文レジュメの Professional Experience セクション に適した形式に変換してください。 【日本語の実績】 (ここに自分の実績を日本語で箇条書き。数字が分かるものは必ず数字を入れる) 例: - 営業チーム12名のマネジメントを担当し、年間売上目標を118%達成した - 新規顧客向けのオンボーディングプロセスを再設計し、解約率を18%から9%に下げた 【応募先の求人情報】 (求人票の Requirements / Responsibilities の部分を貼り付け) 【変換ルール】 - 各項目を強い動詞(Led, Built, Reduced など)で始めてください - 必ず数字で成果を示してください - Responsible for / Worked on などの受動的表現は使わないでください - 求人票の要件と関連が強い実績を上に配置してください - 1項目あたり1〜2行に収めてください - 出力後に、なぜその動詞を選んだかを簡単に説明してください
AIが生成した英文は必ず自分で確認してください。特に数字は絶対に盛らないこと。リファレンスチェックや面接で必ず確認されます。
なお、選考が進んだ後のリファレンスチェックについては、別記事「リファレンスチェックを依頼できる人がいない…」でも解説しています。
レジュメは「通過するため」ではなく「面接で語るため」の書類
英文レジュメを整えると、面接での受け答えも自然と構造化されます。数字で語る癖がつき、成果と自分の貢献を切り分けて説明できるようになるからです。
外資系面接の具体的な対策については、別記事「外資系面接の頻出質問と逆質問戦略」で詳しく解説しています。
Linkard Careerのキャリア面談について
Linkard Careerでは、外資系・グローバル企業向けの英文レジュメについて、応募先に合わせた見せ方のご相談に対応しています。「この実績をどう表現すべきか」という段階から、お気軽にご相談ください。
まとめ
- 英文レジュメは職務経歴書の翻訳ではなく、設計思想が異なる別の書類
- 年齢・性別・顔写真は記載しない。1〜2枚に収める
- 実績は「強い動詞+数字」で書く。Responsible for は使わない
- 求人ごとにカスタマイズするのが前提
- AIで下書きを作り、数字の正確性は必ず自分で確認する


