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海外展開スタートアップで「資格保有者」の採用が増えている理由 

2026 8/03
Tips
2026年8月5日

近年、海外展開を進める日本のスタートアップにおいて「資格保有者」の採用が急増しています。かつては「スタートアップ=即戦力のビジネス人材が最優先」「資格はあまり評価されない」というイメージが一般的でした。しかし今、その常識は大きく変わりつつあります。 

本記事では、なぜ今、海外展開スタートアップで資格保有者が強く求められているのか、その背景と構造を、分かりやすく解説します。 

目次

海外展開が進むほど「専門性の錯覚」が通用しなくなる 

国内向けビジネスだけであれば、 

  • 経理は実務経験ベース 
  • 法務は顧問弁護士任せ 
  • 労務は外部委託 

という形でも、なんとか事業は回っていました。 

しかし、海外展開が始まると状況は一変します。 

  • 外貨建取引 
  • 国際税務 
  • 移転価格 
  • 各国の労働法規制 
  • 英文契約 
  • 海外子会社管理 

など、「なんとなくの知識」や「過去の国内経験」だけでは対応できない領域が一気に増えるのです。 

この局面で経営陣が最も恐れるのは、「誰も正解が分からない状態で、意思決定だけが先に進んでしまうこと」です。だからこそ、専門性を“客観的に証明できる資格保有者”が強く求められるようになっています。 

投資家・上場準備の目線が「資格人材」を後押ししている 

海外展開スタートアップでは、必ず次のフェーズが視野に入ります。 

  • 海外VCからの資金調達 
  • デューデリジェンス(DD) 
  • IPO(上場)準備 
  • 海外子会社の連結決算 

このとき、投資家や証券会社が見るのは、「事業の成長性」だけでなく、「ガバナンスと再現性のある管理体制」です。 

ここでよく出るのが、次の質問です。 

  • 財務・会計を誰が見ているのか? 
  • 海外税務・移転価格への対応体制は? 
  • 内部統制は整っているか? 
  • 労務・コンプライアンスを誰が担っているのか? 

これらに対して、「実務経験があります」だけでは不十分で、「資格を持つ責任者がいるかどうか」が極めて重要な判断材料になります。 

この構造が、スタートアップ側に“資格保有者を早めに採用する動き”を加速させています。 

海外展開スタートアップでは「一人で複数の領域を見る力」が求められる 

海外展開スタートアップの実態は、大企業とはまったく異なります。 

  • 経理・財務・税務・管理会計を1人で見る 
  • 法務・契約・規程整備・リスク管理を兼務 
  • 労務・海外子会社の人事管理まで対応 

といったように、1人が担う責任範囲が極めて広いのが特徴です。 

このとき重要なのは、単なる「作業スキル」ではなく、 

  • なぜその処理が必要なのか 
  • なぜその契約になるのか 
  • なぜこの数字になるのか 

を理論とルールで説明できる力=資格で裏付けされた専門性です。 

結果として、「実務ができる人」よりも「理屈と責任を持って判断できる人」=資格保有者が選ばれる構造が生まれています。 

海外展開スタートアップで評価されやすい代表的な資格 

特に評価されやすいのは、次のような資格です。 

  • 公認会計士・USCPA 
  • 税理士 
  • 社会保険労務士 
  • 弁護士 
  • IT系国家資格・セキュリティ資格 
  • MBA(実務連動型) 

これらはいずれも共通して、「経営・ガバナンス・海外実務」と直結する資格です。 

海外展開スタートアップにおいて資格は、単なる学歴や知識の証明ではなく、「事業リスクを減らす装置」として見られています。 

「資格があるだけ」ではなく「事業と結びつく人」が評価される 

重要なのは、海外展開スタートアップで評価されるのは、 

❌ 資格“だけ”を持っている人 
✅ 資格を使って“事業を前に進められる人” 

という点です。 

具体的には、 

  • 財務数字を使って経営判断をサポートできる 
  • 契約リスクをビジネス目線で整理できる 
  • 労務・制度設計を組織成長に合わせて構築できる 

といった、「資格×ビジネス視点」を持つ人が圧倒的に評価されます。 

つまり、海外展開スタートアップでは、資格は“スタート地点”であり、ゴールではないのです。 

資格保有者の採用が増えるほど「経営に近いポジション」が増えていく 

資格保有者が採用されやすい最大の理由は、経営に直結する領域を担える存在だからです。 

  • CFO候補 
  • 管理部長 
  • 経営企画責任者 
  • 海外子会社統括責任者 

といったポジションは、ほぼ例外なく「資格+実務+経営理解」を兼ね備えた人材が抜擢されています。 

だからこそ最近では、「事業が伸びるほど、最初に採用した資格人材の価値が何倍にも跳ね返る」という現象が、海外展開スタートアップで当たり前に起きています。 

まとめ|海外展開スタートアップで資格保有者の採用が増えている本当の理由 

海外展開スタートアップで資格保有者の採用が増えている理由は、次の5点に集約されます。 

  1. 国内経験だけでは通用しない専門領域が一気に増えるから 
  1. 投資家・IPO対応で「資格による裏付け」が不可欠になるから 
  1. 一人で複数領域を判断する責任が重くなるから 
  1. 資格が「経営リスクを下げる装置」として評価されているから 
  1. 経営に近いポジションを任せられる人材が必要になるから 

海外展開スタートアップにおいて、資格はもはや「持っていれば有利」なものではなく、「事業成長に不可欠な武器」へと進化しています。 

Linkard Careerでは、スタートアップ・グローバルに特化した転職支援サービスを行っています。最新求人の情報入手やキャリア相談をご希望される方は、お気軽にご登録ください。 

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この記事を書いた人

加藤雄次郎のアバター 加藤雄次郎

東京大学在学中に公認会計士試験に合格し、2014年よりKPMGあずさ監査法人に入所。2017年にKPMGあずさ監査法人退所後、PwC中国に入所し、中国にて事業展開を行う日系企業、及び、日本進出を行う中国企業に対して業務を提供。
2021年にPwC中国を退所後、同年3月に加藤雄次郎公認会計士事務所を設立。
事業拡大に伴い、2022年にLinkard Groupを立ち上げ、代表取締役CEOに就任。
東京大学文学部卒業、INSEAD MBA修了。

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